寝起きに起こる「モーニングアタック」とは?
ツラい花粉症の症状に悩まされている方々にとって、1日の中でもっともツラい時間帯はいつ頃なのでしょうか?
実はある調査データによると、花粉症にかかっている人の4割以上の方々がもっともツラい時間帯は「起床時」と答えています。
確かに、ちょうど目覚めて布団から起き上がろうとするときに、くしゃみや鼻水、目のかゆみなどの症状が発作的に現れることがしばしばありますよね。
このように朝の起床時に突発的に症状が顕著になる状態のことを通称「モーニングアタック」と呼ばれています。
それでは、どうして「モーニングアタック」が起こるのでしょうか。
その要因やメカニズムをを理解したうえでしっかりとモーニングアタック対策を講じる必要があります。
1 床に降り溜まったアレルゲンの吸入
家の中で人間が行動している日中は、花粉やハウズダストなどのアレルゲンは空気中に浮遊している状態ですが、夜の睡眠時以降はこれらのアレルゲンがゆっくりと地上(床)に降下していきます。
そして布団の上や床の上にアレルゲンとなる抗原が降り積もって濃度が高い状態を作り出すため、朝、ちょうど目覚める時期になってこれらの濃度の高いアレルゲンを吸入することによってモーニングアタックが起こる可能性があります。
2 起床時のドタバタでアレルゲンが浮揚
1とは逆説的ですが、睡眠中に布団や床上に溜まったアレルゲンが起床とともに人間のせわしない動作(布団をたたんだり床をドタドタ歩いたり)によって濃度の高いアレルゲンが空気中に一斉に舞い上がり、それを吸入することによりモーニングアタックが起こるという説です。
確かにベッドではなく布団を毎朝たたんでいるご家庭では、十分考えられます。
3 起床時における自律神経のみだれ
自らコントロールが出来ませんが人間の生活にとって重要な働きをする「自律神経」というものがあり、自律神経には激しい運動や興奮時に働く「交感神経」とゆったりとくつろいでいる時や食事中、睡眠中などに働く「副交換神経」に分かれています。
通常、日中の動いている時間帯は交感神経が副交換神経よりも優位に働き、逆に休息しているときや睡眠中には副交換神経が交感神経より優位に働く特徴があります。
ですから、朝の起床時は副交換神経から交感神経へ切り替わる時期にあたり、この際に両方の神経が一時的に不安定になってモーニングアタックが起きやすい状況になるといわれています。
4 鼻汁中の好塩基球の増加
好塩基球の増加白血球の一種である「好塩基球」という細胞は肥満細胞とともにIgEを介したI型アレルギー反応の主体とされ、アレルゲンと結合しヒスタミンやロイコトリエンを遊離するといわれこれらの反応によって花粉症の症状を引き起こします。
この好塩基球が夜から朝方にかけて増加する傾向が見られるため、花粉症の症状を起こしやすくするという説です。
ここで示した4つの要因については、どれも確定的なものではありませんが、寝室などの室内に花粉症のアレルゲンが入り込まないように対策された環境においてもモーニングアタックが起こっていることを考え合わせると、前記1や2の可能性は低いといえます。
多くの専門家は3の要因が最も可能性があると考えているようですが、はっきりと確定されているワケではありません。