花粉症の症状を最小限に抑える「初期療法」とは?

花粉症の症状を最小限に抑える「初期療法」とは
「初期療法」という言葉は良く聞くと思います。

 

実は花粉症の治療・予防対策として、初期療法がとても効果的だということで近年注目を集めています。

 

病気の治療は、症状が出てから治療を開始するのが原則ですが、初期療法の場合は症状が出る前に薬を投与して治療を始めるのが特徴です。

 

花粉症には「初期療法」が効果的!

 

花粉症における初期治療のメリットとしては、

 

 

○ 花粉症の症状を全体的に和らげることが出来る。

 

○ 花粉症の症状の出現時期を遅らせることが出来る。

 

○ 花粉症の症状の出現期間を短くすることが出来る。

 

○ 花粉が飛散するピーク時に服用する薬の量を少なくすることが出来る。

 

○ 花粉シーズンのトータルで服用する薬を少なくすることが出来る。

 

 

などが挙げられますので、花粉シーズン中、特に症状が重症化しやすい方にはぜひおすすめしたい治療法です。

 

 

花粉症の初期治療は、原因花粉の飛散が始まる日の概ね1〜2週間程度前から薬の服用を開始することがポイントとなります。

 

花粉の飛散時期は原因となる植物や地域、その年の気候などによって違ってきます。

 

花粉の飛散情報は、主に環境省で構築している「花粉観測システム(通称はなこさん)」において全国各地の測定地点に設置されている花粉自動計測器(ダーラム型花粉採集器)を用いて観測しますが、1平方センチメートルあたりに1個以上の花粉が2日以上連続して観測された最初の日を「花粉飛散開始日」としています。

 

初期療法には抗アレルギー剤が効果的!

 

ほかにもウェザーニューズが提供している「花粉ch」や「花粉症プロジェクト2014」など、各地の花粉飛散情報はインターネットで詳しく提供されているので、こまめにチェックしておく必要があります。

 

 

花粉症の初期治療で用いられる薬は主に「抗アレルギー薬」といわれるもので、花粉症の症状であるくしゃみや鼻水、鼻詰まり、目のかゆみなどを抑える効果があります。

 

抗アレルギー薬の中でも次のタイプの薬が推奨されています。

 

 

1 遊離抑制薬

化学反応物質(ケミカルメディエーター)遊離抑制薬、あるいは肥満細胞安定薬と呼ばれるもので、肥満細胞からヒスタミンなどのアレルギー物質が遊離していく状態を抑制する作用があります。つまり、花粉症の症状の出現メカニズムの元となるヒスタミン放出を防ぐことで症状を緩和するものです。

 

薬の効果は緩やかで、効果を確認するまでに2週間程度の期間を要します。副作用は少なく、特にくしゃみや鼻水が主な症状の場合に適しています。

 

2 第二世代抗ヒスタミン薬

抗ヒスタミン薬の中でも後発のもので、第一世代抗ヒスタミン薬に比べ眠気や口の渇きなどの副作用が少ないものを指します。抗ヒスタミン薬は肥満細胞から放出されたヒスタミン受容体をブロックし、知覚神経などへの刺激を緩和し症状を和らげる薬です。

 

効果は数日で現れる場合が多く即効的で、しかも持続性があります。副作用は少ない方ですが、多少の眠気を誘発する場合があります。

 

3 抗ロイコトリエン(LTs)薬

ロイコトリエン拮抗薬とも呼ばれ、ロイコトリエンの受容体をブロックし、鼻粘膜の炎症や腫れを和らげる薬剤です。

 

ロイコトリエンはヒスタミンと同様に肥満細胞から放出される化学伝達物質ですが、これが鼻粘膜に作用し炎症や腫れを引き起こすことによって鼻詰まりの原因となりますので、このロイコトリエン受容体をブロックすることによって鼻粘膜への刺激を緩和し症状を和らげる働きがあります。

 

効果は比較的早く、約1周間程度で現れます。鼻詰まりだけでなく、くしゃみや鼻水にも効きます。

 

症状に適した薬が初期療法のポイント!

 

薬の効果上記薬は基本的にはいずれかを単独で使用するのが原則ですが、毎年の花粉症の症状の現れ方や度合い(重症度)、症状のピーク時の状況などによってそれぞれの薬を組み合わせて使用したり、上記薬物の点眼薬、ステロイド薬(鼻噴霧用、点眼、経口)を併用する場合があります。

 

ですから、花粉症の初期療法を始めるには、事前に専門の医師に前シーズンにおける花粉症の発症具合や特徴などを詳しく話し、アナタになるべく適した薬を処方してもらうことが大切です。

 

また、薬の効き目が現れる期間が過ぎた後に症状が現れ、緩和されている実感がない場合など、薬の効果が感じられない場合はその都度医師に相談しましょう。医師の診断により違う薬を処方してもらうことも出来ます。

 

初期療法で気を付けること

これらの「初期療法」を始めるうえで、気をつけなkればならない点がいくつかあります。

 

 

1 花粉症と診断されていることが大前提

花粉症の診断は正しいか?

 

花粉症の初期療法を行うには、まずアナタが花粉症であることを医師から診断されていることが大前提となります。まだ一度も病院など医療機関で花粉症の診断を受けていなければ、必ず受診し花粉症であるのかどうかを診断してもらいましょう。

 

2 花粉症の症状履歴を付けておく

花粉症の症状履歴を付けましょう!

 

花粉症の初期療法を始めるにあたり、医師から前シーズンまたは例年における発症の状況について詳しく問診されますので、出来る限り正確に伝えるためにも前シーズンの発症状況について日記を付けておくなどの履歴を残しておき、受診時に活用しましょう。

 

3 指示された薬を忘れず飲む

決められた薬をきちんと飲むことが大切!

 

初期療法に限ったことではありませんが、医師から指示された薬を指示どおりの用法を守って忘れずに飲むことが大切です。

 

初期療法は症状が出る前から薬を飲むためついつい忘れがちになりますが、しっかりと支持を守って薬を服用することで薬の効果の確認が出来、症状の緩和につながります。

 

4 市販薬との併用は禁物

市販薬との併用はしない!

 

花粉症の初期療法に使われる薬と同等の市販薬が販売されていますが、それらの市販薬を独自判断で使うことは慎みましょう。

 

いくら軽い薬であっても副作用や相性というものがありますので、もし何かの事情で使いたいときはきちんと掛かり付けの医師に相談しましょう。

5 自らの花粉症対策を軽視しない

花粉症の対策を忘れずに!

 

いくら初期療法が効果的だとしても、今まで行ってきたセルフケア対策をやめていいワケではありません。

 

マスクやメガネの着用や自宅環境の整備など日常のセルフケアという土台があって初めて効果が上積みされるということを十分に理解し、自己の花粉症対策を継続する必要があります。