アニサキス症にならないために

 

激しい腹痛や嘔吐、下痢など、とにかくツラい症状に見舞われる“アニサキス症”

 

アニサキス症にならないためには、いったいどんな対策が有効なのでしょうか。

 

まず、一般的に言われているものとしては、以下の4つの対策があります。

1.寄生する可能性のある魚介類は食べない。

そもそもアニサキス症の原因となるアニサキス幼虫が寄生してる可能性のある魚介類を食べなければアニサキス症になることはありません。。

 

アニサキス症になりそうな魚は食べない

 

それを見分けるには、その魚介類が“オキアミ(魚介類が食べるプランクトン)”を食べるかどうかがポイントとなります。
(アニサキス症になりやすい魚介類については「アニサキス症の原因」を参照)

 

2.内臓の早期除去及び目視による確認

魚介類を調理する際に、アニサキス幼虫の寄生場所である内臓を早期に取り除きます

 

アニサキス幼虫をよく確認してから食べる

 

次にアニサキス幼虫が身に付いていないかどうかを必ず目視で確認します。

 

もしもアニサキス幼虫が確認された場合は、確実に取り除くことによりアニサキス症を予防することが出来ます。

 

3.冷凍処理

生の魚介類を一定程度冷凍処理をした後に、解凍して食べる方法です。

 

刺身は一度冷凍する

 

冷凍処理によって原因となるアニサキス幼虫は死滅しますので、刺身などにしても大丈夫です。

 

 

4.加熱による調理

生の魚介類をそのまま食べるのではなく、一定程度加熱してから食べる方法です。

 

魚介類は加熱調理する

 

もちろん、焼いたり、煮込んだり、蒸したりすれば、原因となるアニサキス幼虫は死滅します。

アニサキスが寄生する可能性のある魚介類を食べないこと

アニサキスアレルギーのページで詳しく解説したとおり、アニサキス症はアレルギー反応によるものなので、たとえ熱処理したり冷凍したりしても症状が出る人は出ます。

 

アニサキスが寄生する魚介類は食べない

 

そのような人にとって唯一の予防対策は、“アニサキス幼虫が寄生する危険性のある魚介類を食べないこと”しかありません。

 

 

では、アニサキス幼虫が寄生する可能性のある魚介類をどのように見分けるのでしょうか。

 

それを見分ける方法として、アニサキスの食物連鎖が重要なポイントになります。。

 

つまり、クジラやイルカなどの海洋哺乳類から放出されたアニサキスの卵を一番先に食べるのが“オキアミ”と呼ばれるエビの形をした大型プランクトンです。

 

オキアミを食べる魚に注意

 

そして、それを食べた魚介類の体内でアニサキス幼虫となり、内臓部分に寄生します。

 

さらにそれらの魚介類を食べる人間がアニサキス症になることが分かっていますので、さかのぼって考えてみるとオキアミを食べる魚介類を避けることによりアニサキス症になるリスクが少なくなるといえます。

 

内臓の早期除去と目視による確認

アニサキス症を防ぐためにはアニサキス幼虫をおなかの中に入れなければいいわけですから、これから食べようとする魚介類の徹底的にチェックすることが効果的です。

 

アニサキス幼虫は、体長2〜3cm、幅0.5〜1mmくらいの白色の少し太い糸のような形をしていますので、人間の目でも十分に目視できる大きさです。

 

アニサキス幼虫は、魚介類が生きているうちは主に内臓(消化管)に寄生しており、死んで間もなくしてからは身の部分(筋肉)に移っていきます

 

ですから、魚が新鮮なうちに内臓部分を素早く取り除くことが効果的です。

 

サバなどのアニサキス幼虫が寄生しやすい魚の場合は、内臓周りの身の部分も取り除くと効果的です。

 

アニサキスを見つけたらピンセットでとる

 

そして、刺身などで魚介類をさばく場合、身の部分にアニサキス幼虫がいないかどうかを目視で十分に確認します。

 

もしも見つけた場合は、ピンセットでアニサキス幼虫を取り除きます

 

 

大きさ的には見つけられる大きさですが、魚介類の調理はだいたい夕方から夜にかけての場合が多く、目視がしづらい状況も考えられます。

 

 

そこでおすすめしたいのが通称「ブラックライト」という商品です。

 

ブラックライトとは紫外線を発する照明器具のことで、UVライトとも呼ばれれます。

 

アニサキスを見つけるならブラックライト

 

紫色の光を放つライトは、昔はよくディスコ(ダンスホール)などで使われていました。

 

特徴としては、“白色”をひと際浮き立たせてくれる便利グッズで、服などに付いたほんの少しのホコリも簡単に見つけられます。

 

このような特徴を生かして、これから食べようとする魚介類の表面にブラックライトを当てると、普段は発見しづらいアニサキス幼虫が手に取るように見つかります。

 

ただし、魚の身が厚めの場合は、身の中に潜ったアニサキス幼虫までは見つかりませんので、なるべく身を薄めに切ってからライトを当てるようにしましょう。

 

(詳しくは「アニサキスの見つけ方」を参照)

 

冷凍処理のポイント

アニサキス症の予防対策として“魚介類の冷凍処理”が有効です。

 

厚生労働省のホームページによると、アニサキス症を予防するための魚介類の冷凍方法として、“-20℃で24時間以上の冷凍”という方法を指導しています。

 

その根拠として、アニサキス幼虫が寄生するニシンを-60℃で10分〜20分間冷凍した場合、内部温度が-20℃〜-30℃となり、24時間後にはアニサキス幼虫の生存率はゼロであった事例を示しています。

 

冷凍はアニサキス症を防ぐ対策

 

ちなみに、海外における冷凍処理の基準を調べてみると、コーデックス委員会ではアニサキスなどの線虫類の場合、日本と同様に製品の中心温度が-20℃で24時間冷凍が効果的とされています。

 

米国FDAでは、“食品媒介の病原菌と自然毒に関するハンドブック”において、アニサキス類を取り上げ、生食か半生食(マリネなど)で食酢魚介類は−35℃以下に急速冷凍し15時間、または通常の冷凍で-20℃以下で7日間を推奨しておふぃます・

 

また、欧州では2010年に欧州食品安全機関(EFSA) によりアニサキスのリスク評価がなされ、2011年12月からは生食、ほぼ生食、半生食及び冷凍燻製用魚及び軟体動物類については生きている寄生虫を死滅させるために、業者に対し−20℃以下で24時間以上または−35℃以下で15時間以上のいずれかの冷凍処置を義務付けています。

 

 

もちろん生のままの魚介類を手に入れた場合は自分で冷凍する必要がありますが、既に一度冷凍されている魚介類を入手すれば自分で冷凍処理する必要もありません

 

生の魚介類は冷凍すると効果的

 

冷凍されているかどうかを見分ける方法は意外と簡単で、スーパーなどで販売されている魚介類のパッケージに「冷凍」と表示されたものを選ぶだけです。

 

ただし冷凍物の場合、解凍時に“ドリップ”と呼ばれる旨味成分(赤い液体)が流れ出てしまい、どうしても味が落ちるといわれます。

 

生の新鮮な魚介類を食べたいと思っている人にとっては少々酷な話ですが、それをこらえて冷凍物を選択することによってアニサキス症のリスクは確実に低くなります。
(※ただし、アニサキスアレルギー反応が強い人は、たとえ冷凍であってもアニキサス症が発症する可能性があります。詳細は「アニキサス症はアレルギー反応?」を参照)

加熱による調理ののポイント

アニサキス症の予防対策として“魚介類の加熱処理”も有効です。

 

厚生労働省のホームページでは、アニサキス症を予防するための魚介類の加熱方法として、“70℃以上の加熱、または60℃で1分以上の加熱”という方法を推奨しています。

 

アニサキス症の予防には加熱調理が有効

 

これは、国の専門研究機関の実証実験により導かれた方法なので間違いない基準だろうと思います。

 

 

ちなみに食品の国際規格であるコーデックス委員会(Codex Alimentarius Commision)では、魚及び魚製品の実施規則において、製品中の寄生虫の駆除に効果のある手法を挙げており、アニサキスなどの線虫類の場合、日本と同様に製品の中心温度が60℃で1分以上が効果的とされています。

 

ただし加熱処理による方法は、そもそも刺身など生で食べることにはならないので、このサイトのテーマからは外れてしまいます。

 

(※アニサキスアレルギー反応が強い人は、たとえ加熱したとしてもアニキサス症が発症する可能性があります。詳細は「アニキサス症はアレルギー反応?」を参照)