アニサキス症になったら、救急車を呼んでもいい?
もし、アニサキス症を疑うような症状が出たら、119番して救急車を呼ぶべきでしょうか。
これは症状の程度にもよりますが、よっぽど軽い症状でない限りは基本的には救急車を呼ぶべきだと思います。
その主な理由は以下のとおりです。
1 救急隊が症状を確認し、症状に応じて適切な医療機関を手配してもらえる。また、短時間で受診することができる(可能性がある)。
2 激しい腹痛で苦しんでいる状態で自家用車を運転するのは危険すぎるし、家族に運転してもらったとしても、後部座席で窮屈な状態で移動するのはツラい。
3 タクシーで医療機関に行く場合、吐き気をもよおし車内で嘔吐してしまう可能性があり、迷惑を掛ける。
4 アニサキス症はアレルギーなので、症状が急変し血圧低下や呼吸不全、孔フィラキーショックを起こした場合、最悪、命にかかわる可能性がある。
特に注意する必要があるのは4の危険性です。
救急車であれば救急隊員が病状を観察しながら搬送してくれます。
また、突然の変化があっても適切に対応してくれてるので安心できます。
救急車を呼んだ際に気を付けることは?
救急車で医療機関へ搬送してもらう場合は、次の点に注意すると良いでしょう。
1 現在の症状を正しく伝えることはもちろんですが、数時間前に食べた魚介類による「アニサキス症」の可能性があることもしっかりと伝えましょう(救急隊員といえども、アニサキス症の詳しい症状や治療方法などを熟知している人は少ない可能性があります)。
2 アニサキス症が疑われる場合は、救急隊が受け入れ確認のために医療機関に事前に連絡した際、医療機関から受け入れ可能かどうかを回答してくれます。もちろん、医療機関ですから、症状を聞いて内視鏡検査が必要かどうか、その検査が出来るかどうかを考慮してくれます。
3 食べた物が自宅に残っている場合は、一応医療機関に持参した方がいいでしょう。もし、魚介類の食べかすの中にアニサキス幼虫が見つかれば、アニサキス症の疑いが濃厚となるからです。
これらの留意事項は、救急車ではなく自分で直接医療機関に行く場合も同じです。事前に電話連絡をした場合は、医療機関の方で必要な指示があると思います。
東京都の対応マニュアルが参考になる?
東京都では、「食物アレルギーの緊急対応マニュアル」というものを策定し公表しています。
その中に「B. 緊急性の判断と対応」という項目があり、B-1として「緊急性が高いアレルギー症状」の消化器の症状の中に『持続する強い(我慢できない)お腹痛み』とあります。
まさに、“劇症型アニサキス症”の症状が該当します。
そしてこれらの症状のいずれか1つ以上に該当する場合は、「B-2緊急度が高いアレルギー症状への対応」というところで、@エピペンを打つ、A救急車を呼ぶ(119通報) となっています。
つまり、それぐらい緊急度の高い症状ということで、必ず救急車を呼ぶべきである旨が掲載されています。
参考までに、このマニュアルの中には「D 救急車要請(119番通報)のポイント」というのも掲載されていますので、参考にしてください。