プリックテスト・スクラッチテストとは?

 

アレルギー検査の中でも簡易な検査として広く用いられるのが「プリックテスト」「スクラッチテスト」です。

 

「prick」(プリック)とは「刺す」「scratch」(スクラッチ)「引っ掻く」という意味で、いずれも被検者の皮膚の表面にアレルゲンをたらし、その上から針を刺したり引っかいたりして皮膚に傷を付けた後、皮膚の赤みや膨らみなどアレルギー反応の状態をみる検査です。
プリック・スクラッチ
アレルゲンエキスを皮膚にたらしただけでは反応が出にくいので皮膚の表面を軽く傷付けますが、血も出ないしほとんど痛みはありません

 

前述した“特異的IgE抗体検査”のように、採取した血液(検体)により行われる検査のことを「検体検査」と呼ぶのに対し、プリックテストスクラッチテスト、あるいは他ページで解説する皮内テストパッチテスト負荷試験などは、直接生体に対して行われるため、「生体検査」と呼びます。

 

プリックテストやスクラッチテストは、特異的IgE抗体検査と同様にアレルゲンの侵入によって起こる反応をみる検査ですが、特異的IgE抗体検査の場合は血清中のIge抗体の増加量をみるのに対し、プリックテスト・スクラッチテストの場合は「生体(皮膚)のアレルギー反応」を直接みることができるため、より分かりやすく、信頼性の高い検査であるといえます。

 

さらにプリックテストは特異的IgE抗体検査の4分の1程度の経費で済み、短時間で判定が可能なことなどから、T型アレルゲンの検出法として推奨されています。

 

プリックテストの詳細

プリックテストの方法

プリックテストの実施手順

プリックテストは、前腕の内側の正常な皮膚で行います。

 

部位としては、なるべく肘や手首の関節から離れた部位で行います(肘から3センチ以上、手首から5センチ以上)。

 

プリックテスト

 

最初に部位を消毒した後、2センチ程度の間隔を空けてそれぞれのアレルゲンエキスを1滴ずつ滴らします。

 

アレルゲンエキスには、主に市販の「アレルゲンスクラッチエキス」を用います。

 

アレルゲンエキスのほかに、判定の対照とする陽性コントロール液(1%二塩酸ヒスタミン液)と陰性コントロール液(生理食塩水またはスクラッチエキス対照液)を滴下します。

 

滴下する場所明確にするために、あらかじめマジックペンなどでマークしておくと良いです。

 

また滴下した後は、アレルゲンの名称を書いたシールを貼っておきます。

 

プリックに用いる針は1ミリのランセット針などを使い、滴下したアレルゲンエキスの上から皮膚に対し直角に刺します。このとき出血させないように注意します。

 

針は、それぞれアレルゲンごとに別のものを使うか、または同じものを使う場合は1回ずつアルコールなどでしっかりと消毒してから使用します。

 

すべてのプリックが終わったら、皮膚に残っている余分なアレルゲンエキスが混ざらないようにガーゼなどで素早く拭き取ります

 

プリックしてから15分〜20分後に判定します。

 

プリックテストを実施する際の留意事項

抗アレルギー薬抗ヒスタミン薬は、テストの数日前から飲んではいけません(テストでの反応を抑えてしまう場合があります)。

 

 

プリックテストの判定

針を刺した部分を観察し、膨らみの径(膨疹径)で判定します。

 

具体的には、以下のとおりです。

プリックテストの判定基準

平均膨疹径((長径+短径)の2分の1) 判定
陽性コントロールの2倍以上 4+
陽性コントロールと同等 3+
陽性コントロールの2分の1 2+
陽性コントロールの2分の1未満で陰性コントロールより大きい 1+
陰性コントロールと同等

 

判定結果が「2+」以上の場合に“陽性”と判定します。

 

なお、対照液を用意できない場合は、平均膨疹径が3ミリ以上を陽性としても良いとされています。 

 

プリックテスト判定の際の留意点

実際にアレルギーがあってもテストで陰性である場合(偽陰性)や、逆にアレルギーがないのにテストで陽性にでる場合(偽陽性)もあるため、症状と不一致である場合は他の検査も行うなど“総合的な判断”が必要になります。

 

プリックテストは総合的に判断を

 

 

スクラッチテストの方法

スクラッチテストの手順

“スクラッチテスト”の検査方法は、基本的にプリックテストの方法とほぼ同じです。

 

スクラッチテスト

 

違う点としては、プリックテストでは針で皮膚の表面に穴を開けるのに対し、スクラッチテストは針で皮膚の表面をひっかきます

 

また、プリックテストでは最初にアレルゲンエキスを皮膚に滴下してから針を刺すのに対し、スクラッチテストは先に皮膚をひっかいた後に上からアレルゲンエキスを滴下します。

 

ひっかく長さはおおむね3〜5ミリです。

スクラッチテストを実施するうえでの留意点

プリックテストに比べて感度が上がるためアナフィラキシーショックを誘発する可能性もありますので、アドレナリン注射静脈ルートの確保など万一の場合に備える必要があります。

 

緊急時の体制確保が必要

スクラッチテストの判定

判定は、プリックテストと同じく15分〜20分後で、判定基準も同じです。

プリックテスト・スクラッチテストの費用

プリックテスト(スクラッチテスト)の診療報酬点数
プリックテストやスクラッチテストにおける診療報酬については・・・
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