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アレルギー検査ができる診療科とは?

 

アレルギーの症状が出て、その原因を見つけるために「アレルギー検査」を受けたいと思ったときに、いったいどの科にかかったら良いのでしょうか

 

通常の病気と同じように考えた場合、アレルギー症状が出た部位(臓器)に適応した診療科を受診するのが一般的だと思います。

 

 

アレルギー検査はどの科目?

 

たとえば、皮膚がかゆくなったり、じんましんのような発疹や腫れが現れたら「皮膚科」、目がかゆければ「眼科」、鼻水やくしゃみが止まらなければ「耳鼻咽喉科」、お子さんであればほとんどの場合「小児科」、それ以外だと全般的に「内科」というような選択肢が一般的です。

 

近年ではアレルギーに特化した「アレルギー科」という診療科も増えてきています。

 

基本的には、症状部位に応じた診療科を受診することは間違いではありません

 

ところが「アレルギー検査」を受ける場合、“検査そのものができるかどうか”といった医療機関側の体制にも関わってきます。

 

また、アレルギー検査にもさまざまな種類があり、医療機関や診療科によって「できる検査」「できない検査」があります。

 

ですから、アレルギー検査を受けようとする場合は、事前にインターネットなどで近くの病院を調べたうえで電話で確認することをおすすめします。

 

アレルギー検査ありきではない?

ところで、良く勘違いをされる方が多いのですが、“アレルギー検査は希望すれば誰でも受けられる”というものではありません。

 

症状がない場合のアレルギー検査は保険適用外

 

アレルギーと疑われるような症状が伴わないのに検査を受ける場合は、原則、保険の適用はありません

 

つまり、何も症状が現れていない状況でアレルギー検査を受ける行為は、健康保険の適用外と判断されるのです。

 

しかし、お子さんなどが以前にアレルギー症状を起こしたことがあって、将来的に心配なのでアレルゲンを把握しておきたいといった要望があった場合は、保険適用される可能性もあります(医療機関の判断によります)。

 

 

ここでお伝えしたいことは、“アレルギー検査の目的はアレルゲンを特定するだけでなく、アレルギーを治療(予防)するためにある”ということです。

 

つまり、その検査結果をその後の対策につなげていくことにあります。

 

アレルギー検査を受けるなら専門医のいる医療機関で

 

そのように考えた場合、アレルギー検査を受ける医療機関としておすすめなのは「診療科」ではなく「専門医」のいる医療機関となります。

 

なぜなら、検査結果をどのように判断しどう治療に生かしていくかは医師の知識や力量にゆだねられるからです。

 

また、食物経口負荷試験などを行う場合、検査中に“アナフィラキシーショック”といった重篤な症状を誘引させる可能性もあり、アレルギー専門医の存在は必須となります。

 

 

このように、たとえ診療科が「内科」「小児科」であっても、アレルギー領域を学んだ専門医がいるかどうかによってアレルギー検査以降の展開がまったく違ってくるのです。

 

たとえば、アレルギー専門の学会に所属しアレルギー専門医の資格を取得した医師が在籍する医療機関は信頼できる医療機関といえますので、インターネットなどで調べてみると良いでしょう(それらの病院検索については、別ページを参照)。

 

診療科を表示する場合の決まりとは?

ところで、医療機関において“診療科”を掲示する場合に、なにか「約束」とか「決まり事」はあるのでしょうか。

 

その前に、“診療科を掲示する”ということは、イコール“その診療科については適切に診療できる医療機関である旨を広告する”ことを意味します。

 

そして、「医療法」という法律の中で“広告可能な診療科名”について規定している条文(第6条の6第1項)があって、「政令で定める診療科名か、それ以外の場合は当該診療に従事する医師等が厚生労働大臣の許可を受けたものとする」となっています。

 

診療科の名称掲示には一定のルールがある

 

具体的な診療科名については医療法施行令(第3条の2)で定められています。

 

「内科」「外科」(単独使用可能)、これらと組み合わせることができる診療科名を以下のように定めています。

部位、器官、臓器、組織又はこれらの果たす機能

頭部、胸部、腹部、呼吸器、消化器、胃腸、肛門、脳神経などとの組み合わせ
例)「頭部外科」「胸部外科」「腹部外科」「呼吸器内科」「消化器外科」「胃腸内科」「肛門外科」「心臓外科」「脳神経外科」など

 

患者の特性

男性、女性、小児、周産期、新生児、児童、思春期、老人、老年、高齢者などとの組み合わせ
例)「男性内科」「女性内科」「小児外科」「周産期内科」「新生児内科」「児童内科」「思春期内科」「老人内科」「高齢者内科」など

 

医学的処置

整形(内科との組合せは不可)、形成(内科との組合せは不可)、美容、心療(外科との組合せは不可)、薬物療法、移植など
例)「整形外科」「形成外科」「美容外科」「心療内科」「薬物療法内科」「移植外科」など

 

疾病、病態の名称

感染症、性感染症、腫瘍、がん、糖尿病など
例)「感染症内科」「性感染症内科」「腫瘍外科」「糖尿病内科」など

 

・他の表示方法として「内科」や「外科」の後にカッコで組み合わせることも可能です。
例)「内科(循環器)」「内科(薬物療法)」「内科(感染症)」「外科(内視鏡)」「外科(がん)」など

 

・上記1〜4の項目を2つ「内科」または「外科」を組み合わせることも可能です。
例)「食道・胃腸外科」「小児胃腸内科」「美容・形成外科」「肝臓・消化器外科」「糖尿病・代謝内科」など

 

 

・次の診療科名は単独で使うことができるほか、上記1〜4と組み合わせて使うことも可能です。

単独で使うことが可能な診療科名

「精神科」「アレルギー科」「リウマチ科」「小児科」「皮膚科」「泌尿器科」「産婦人科」「眼科」「耳鼻いんこう科」「リハビリテーション科」「放射線科」「病理診断科」「臨床検査科」「救急科」

 

上記1〜4と組み合わせて使用可能な診療科名

例)「小児アレルギー科」「老人リウマチ科」「高齢者リハビリテーション科」など

(ほかも細かなルールはありますが省略します)

 

本来は、所属する医師の専門分野を反映した診療科を標榜するべきですが、上記のルールを守れば、たとえ専門医の資格を取得していなくても診療科を掲示(広告)すること自体は可能です。

 

※なお、以前使われていた以下の診療科名は、改正があった平成20年以降は使えなくなっています。

「神経科」「呼吸器科」「消化器科」「胃腸科」「循環器科」「皮膚泌尿器科」「性病科」「こう門科」「気管食道科」