アレルギー検査の目的


アレルギー検査とは、いったいどのような検査なのでしょうか。

 

文字通り「アレルギーについて調べる」ための検査ですが、分かりやすく解説するためにはアレルギー検査の目的について触れる必要があります。

 

アレルギー検査の目的は、大きく2つあります。

 

一つ目は、「アレルギー体質かどうかを調べる」ためのものです。

 

そして二つ目は「アレルギーの原因(アレルゲン)を調べる」ためのものです。

 

 

T.アレルギー体質かどうかを調べる

「アレルギー体質」とは、アレルギーになりやすい体質のことをいい、自分がアレルギー体質かどうかを調べることを目的とするものです。

 

アレルギーは遺伝する

 

ところでこのアレルギー体質について、実は親からの“遺伝”によってある程度決定されることが分かっています。

 

特に母親からの影響が強く、母親がアレルギー体質である場合、子供もアレルギー体質となる確率が高いと考えられます。

 

ただし遺伝以外にも、育ってきた生活環境(住環境や食生活、ライフスタイル)などによってアレルギー体質に変わる場合も少なくありません。

 

もし、自分がアレルギー体質かどうかを知ることができれば、普段現れやすい症状がアレルギーによるものかどうかも分かり、日常生活においていろいろな面で役立てることができます。

 

「自分がアレルギー体質かどうか」や、その程度(強さ)を測定するため検査であり、その原因となるアレルゲンかを特定するものではありません

 

 

U.アレルギーの原因(アレルゲン)を調べる

現に何らかのアレルギー症状が現れている場合や過去にアレルギー症状が現れたことがあるような場合、その原因となるアレルゲンは何かを調べることを目的とするものです。

 

アレルギーの原因(アレルゲン)になり得る物質はさまざまあり、相当な種類と数がありますが、体内に侵入する経路などによって以下のように分類することができます。

(1)吸入性アレルゲン

目や鼻、口から侵入する可能性のあるアレルゲンで、次のような物質が該当します。

 

室内:ほこり、カビ、ダニ、畳、そば殻、衣類、寝具、ペットの皮膚、建材に使用される化学物質など
花粉:スギ、ヒノキ、ブタクサ、カナムグラ、ススキ、ヒメガマなど
カビ:アルテルナリア、ペニシリウム、カンジタ、クラドシポリウム、アスペルギルスなど吸入性アレルゲン

(2)食物性アレルゲン

食物として口から摂取される可能性のあるアレルゲンで、次のような食物が該当します。

 

肉 類:羊肉、豚肉、鶏肉、牛肉など
魚介類:エビ、ロブスター、カニ、サケ、マグロ、サバ、タコ、イカ、タラコ、イクラ、貝類など
 卵 :卵白、卵黄、オボムコイド
乳製品:ミルク、ラクトアルブミン、カゼイン、チーズなど
穀物類:小麦、グルテン、大豆、米、ソバ、トウモロコシ、ゴマなど
野菜類:エンドウ、インゲン、セロリ、パセリ、トマト、タマネギ、ニンニク、ニンジン、カボチャ、ヤマイモ、マツタケなど
果物類:オレンジ、バナナ、洋ナシ、モモ、グレープフルーツ、スイカ、イチゴ、リンゴ、メロン、キウイフルーツなど
木の実:アーモンド、ココナッツ、ピーナッツ、クルミ、カシューナッツ、カカオなど
その他:辛子、シナモン、ナツメグ、ローレルなどの各種香辛料、調味料、飲料など食物性アレルゲン

(3)接触性アレルゲン

皮膚に接触することによってアレルギーを引き起こす可能性のあるアレルゲンで、次のような物質が該当します。

 

化粧品類:化粧品、口紅、マニキュア、香水、シャンプー、染毛剤など
生活用品:樹脂類、建築材、ゴム製品、塗料、接着剤、陶磁器、セメント、家具、洗剤、革製品、衣類など
金属類 :指輪、ネックレス、イヤリング、腕時計、メガネ、歯科金属など
薬品類 :点眼薬、消毒薬、殺菌・防腐・洗浄剤、湿布薬、その他の医薬品など接触性アレルゲン

 

このように、莫大な種類のアレルゲン物質が存在しますが、この中から原因となるアレルゲンを見つけ出すのはとても大変なことです。

 

最近では、これらのアレルゲンのうち、原因となりやすい代表的なアレルゲンをいくつか選択して同時に検査することができる「検査キット」と呼ばれるものも開発されています。

 

アレルギー検査の意義

ところでアレルギー検査には、いったいどんな意義があるのでしょうか。

 

「アレルギー検査の重要性」のところでも触れていますが、それは“予防”“治療”です。

 

アレルギーを予防する

アレルギー検査の意義の一つは、アレルギーの原因となるアレルゲンを見つけ出し、アレルゲンが体の中に入らないように「予防」することにあります。

 

アレルギーの予防

 

そもそも、アレルゲンが体内に侵入しなければアレルギー症状は起こらないからです。

 

その代わり、好きなものが食べられなくなったり好きな場所に行けなくなったりと、日常生活の中でいろいろと制限が増えてきます。

 

どの程度制限しなければならないかについては、アレルギーの状態を見ながら調整する必要があります。

 

 

アレルギーを治療する

アレルギー検査のもう一つの意義は、アレルギーの原因となるアレルゲンを早期に見つけ出し「治療」することです。

 

アレルギーの治療

 

なぜなら、アレルゲンの違いによってその対処方法、つまり治療法も違ってくるからです。

 

最適な治療を施すためには、アレルゲンを正確に把握する必要があります。

 

アレルギーの治療法はまだ道半ばですが、日々研究を重ねながら確実に進歩しています。

 

アレルギーの原因となるアレルゲンを見つけ出すことは、より良い治療法を見つけ出すことにもつながります。