ろうきんの住宅ローン

住宅ローン使途別のタイプと特徴とは?

 

ろうきんの住宅ローン

 

ろうきんを含め、多くの金融機関にとって貸出業務の主流となるのが、なんといっても「住宅ローン」です。

 

ろうきんローンの主軸は住宅ローン
その理由は、他の貸出サービスと比べ、金額が高額であることや返済期間(いわゆる金利回収期間)が長期であることから、それだけ利ざやが獲得できるからです。

 

ろうきんで取り扱う住宅ローンは、銀行など他の金融機関と同様に、使途別(いわゆる使い道)の違いにより次のような分類が一般的です。

 

A.不動産の購入

 

新築・中古に関わらず、住宅や土地を購入する資金として利用できるローンです。住宅ローンの中でもっともポピュラーなタイプです。

 

B他金融機関のローンの借り換え

 

既に借入れしている他の金融機関の住宅ローンの残債分を借り換えるためのローンです。たとえば、現在支払っているローンの金利が高く、借り換えた方がメリットがある場合に利用されます。

 

C.既存住宅の増改築・リフォーム

 

既に購入済みの住宅の増改築やリフォームをする際に利用するためのローンです。増改築やリフォームが目的ですので、融資額が1千万〜2千万程度のものが一般的です。

 

リフォームローンも人気

 

一応、このように用途別に分類してみましたが、実際には、すべてのろうきんがこのような使途別に住宅ローンを用意しているわけではありません。

 

それぞれのろうきんによって、使途を明確に分けているところと分けていないところがあります。

 

実は「使途別分類」 というのは、さほど意味のある分類とはいえません。金融機関にとっても、お金を借りる人にとっても、お金の使い道はさほど重要ではないからです。
それよりむしろ、融資の上限額や返済期間、担保の必要性の有無などといった違いのほうが両者にとってよほど重要かつ意味のあることといえます。(後ほど詳しく説明します)

 

不動産担保の有無によってどう違う?

不動産担保有り無しも重要

 

これはろうきんに限らず、他の金融機関でもそうですが、いわゆる不動産担保が必要なもの(不動産担保型)と必要でないもの(無担保型)に大きく分けられます。

 

住宅ローンの担保とは? 「担保」とは、お金を借りた人(債務者)がそのお金を返せなくなったときに、お金を貸した側の金融機関(債権者)がその損害を補うために設けられるもので、住宅ローンの場合は購入した住宅と土地(不動産)に対して「抵当権」が設けられます。

 

「抵当権」には優先順位があり、通常、住宅や土地の購入資金を貸した金融機関が原則として一番目の抵当権を設定します。(これによって、債務者が債務不履行になった場合に最優先で抵当権を行使することができます)

 

《不動産担保型》

 

不動産担保を設定することによって、債務者が返済できなくなったときの損害リスクが減るため、通常、住宅ローンの融資上限額も多額(5千万〜1億円)のタイプが一般的です。

 

《無担保型》

 

反対に不動産担保が必要ないもの(無担保型)の場合、リスクを避けるため融資上限額が限られている(1千万〜2千万円)のが一般的です。

 

金融機関にとっては、融資したお金の金利で儲けるため、お金の使途(そのお金が何に使われるか)はあまり重要ではなく、むしろ、堅実に返済できる能力があるかどうかや、万が一の際の担保が重要となります。

 

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金利のタイプと特徴とは?

次に、住宅ローンの金利の違いについて見てみましょう。
金利別では次のような分類となります。

 

A.全期間固定金利型

 

金利タイプの違いと特徴

 

ろうきん住宅ローンの金利 「全期間固定金利型」とは、借入時に金融機関が定めた金利が固定され、返済期間が終了するまで一度も変更されないタイプをいいます。

 

将来、市場金利が上がれば、ローンを借りた側(債務者)が得をし、貸した側(債権者)が損をする可能性が高いことから、ほとんどの金融機関ではリスクを軽減するため、他のタイプの金利より高めに設定されるのが通例です。

 

B.固定金利選択型

 

「固定金利選択型」とは、当初の一定期間(2年、3年、5年、10年など)は金利が固定されますが、その期間が終了すると、その時点での金利で再計算され、その後の金利を同じ固定機関にするか、固定期間を変更するか、あるいは変動金利に変更するかを選択することができるタイプをいいます。
一定期間ごとに金利が見直されるため、市場金利が上がればそれに伴って返済額も増加するリスクがあります。

 

C.変動金利型

 

「変動金利型」とは、文字通り金利が変動するもので、市場金利の変化に合わせて半年ごとに金利が見直されるタイプをいいます。
金融機関にとっては、常に最新の市場金利に合わせて金利を見直すことからリスクがないため、他のタイプに比べて金利も最小限に設定されるのが一般的ですが、金利が上昇した場合を考えると債務者にとっては一番リスクが高いタイプといえます。
ただし、市場金利が大きく上昇した場合の緩和策として、返済額の変更は5年ごととするとか、金利の上限を上昇前の金利の1.25倍以内にするなどの対策がとられるのが一般的です。(元金均等払いの場合を除く)

 

D.上限金利設定型

 

「上限金利設定型」とは、変動金利型に、一定期間は上限金利を設けることができるタイプです。
将来、金利が上昇しても、設定した金利以上に金利が上がることはありません。
低金利のときは変動金利のメリットを、高金利のときは上限金利のメリットを生かせるため、リスクが低減できます。
特約期間が過ぎると、改めて金利タイプを選択することができるタイプが主流となっています。

 

 

それぞれのタイプの特徴をまとめると下表のとおりとなります。

金利タイプ 全期間固定金利型 固定金利選択型 変動金利型 上限金利型
適用金利 高い やや低め 低い やや低め
メリット 市場金利が上がっても、金利が固定されているので安心感がある。 一定期間、固定金利が適用され、その後も固定金利か変動金利かを選択できるので、市場金利が上がってもリスクを軽減できる。 契約当初から適用金利が低く、さらに市場金利が下がった場合は適用金利も低くなるため、さらに返済額が少なくて済む。 市場金利が上がっても上限金利以上は上がらないので、安心感がある。
デメリット 金利が下がった場合、当初の高い固定金利を払い続けなければならない。 市場金利が下がった場合、全期間固定金利より返済額が多くなる。 市場金利が上がった場合、返済額が大幅に増えたり、元利がほとんど減らない可能性がある。 上限金利に設定した見合い分が上乗せされるので、市場金利が下がった場合は変動金利型よりも高くなる。