アレルギー疾患が急増しています!
日本は、世界各国と比べても衛生環境が大変整っており医療や福祉も充実し、今では“世界一の長寿国”といわれるようになりました。
しかし、そんな日本でもさまざまな病気で苦しんでいる人々が今もたくさんいて、また新たな病気も現れ猛威を振るっています。
その代表的な病気の一つが「アレルギー」と呼ばれるもので、ここ半世紀ほどの間で急速に増加し、まさに“現代病”の一つとされています。
食物アレルギーや花粉症、アトピー性皮膚炎、気管支喘息など、アレルギーによって引き起こされる病気が数多く存在し、今では日本人の2人に1人が何らかのアレルギーを持っているともいわれています。
このように、アレルギーという病気は現代社会、特に都市型社会においてもはや見過ごせない驚異的な存在であり、その対策が大きな課題となっています。
アレルギーとは免疫システムの機能不全がもたらす病気です!
そもそも“アレルギー”という病気は、なぜ起こるのでしょうか。
それは、「動物が本来備え持つ外敵排除システムの機能不全」によるものと考えられています。
つまり私たち動物の身体は、もともと細菌やウィルスといった外からの有害な異物から自らの命を守るために、「免疫(めんえき)」と呼ばれる自己防ぎょ機能が備わっています。
たとえば、風邪をひいたときによく「くしゃみ」や「せき」、「鼻水」が現れますが、これも鼻や口から侵入した風邪のウィルスを体の外に排除するための免疫作用の一つといえます。
ほかにもさまざまな形で、外からの有害な異物を排除または攻撃する「免疫」の機能が発揮されています。
(※免疫の詳細については別ページを参照)
この免疫システムは、正しく機能していれば私たちの体にとってとても有効なシステムなのですが、ひとたび機能不全におちいれば逆に自らの身体を傷つけることにもなりかねません。
“アレルギー”とは、まさにこの免疫システムの機能不全によって起こる病気なのです。
すなわち、人体に有害な異物だけに反応するはずの防ぎょシステムが、無害な異物(食べ物や花粉など)にまで過剰に反応するようになり、自らの身体を傷つける結果となります。
アレルギーによって引き起こされる症状はさまざまですが、重症化すると「アナフィラキシーショック」といった命に影響を及ぼす危険性のある症状に陥る場合もありとても深刻です。
(※アレルギーのしくみについては、別ページを参照)
アレルギー検査の重要性
このように免疫システムの機能不全により引き起こされるアレルギーをどのようにして解消していけばいいのでしょうか。
実は、アレルギーを完治させるような根本的な治療法(根治療法といいます)というのは、残念ながら現在のところ確立されていません。
(※たとえば、花粉症に対する“舌下減感作療法”など、一部の病状に対する根治的アプローチも進められていますが、まだ途上です)
しかし、アレルギー症状が出た時にその症状を抑えたりアレルギー症状が出ないように予防したりすることは可能です。
アレルギー対策として特に重要なのは、“原因物質(アレルゲン)を体内に入れない”ことです。
そのためにはアレルギーの原因となるアレルゲンがいったい何なのかを見つけ出す必要があります。
また、今後、アレルギー症状を緩和させていくためにも、アレルゲンの特定はとても重要です。
「アレルギー検査」は、アレルゲンを早期に特定し、その後の対策を有効に進めていくためにも大変重要な役割を担っているといえます。